小学校の校長先生って普段何してるんだろう
行事の時しか見ないけど
学校の顔と言えば校長です。
入学式や卒業式などで壇上で挨拶をするので、保護者としても印象に残ると思います。
でも、子どもに言わせると
「今の校長先生は全然見ない」
など、やはり評価は様々なようです。
謎に包まれた校長先生の普段の様子を紹介します。
なお、この記事は現役の小学校教員の助言を受けて作成しています。
校長先生の様子①授業はやらない
みなさんは、校長先生の授業を受けたことがあるでしょうか。
人にとっては、「ある」という人もいるかもしれません。
しかし、実態としては、校長先生は授業を行いません。
正確に言うと、校長は授業をすることができないのです。
学校教育法第7条
学校には、校長及び相当数の教員を置かなければならない。
そして、授業を行うことができるのは「教員」とされているため、
「教員」に当たらない校長先生は授業を行うことができないのです。
正確には、教員以外の人が授業を行ったとしても授業数にはカウントされません。
もし、校長先生の授業を受けたことがあるという人がいたとすれば、それは「出前授業」のような扱いで、非常にイレギュラーなものだと言えます。
校長先生の職務は何か
学校教育法第37条
④校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。
「校務」とは、学校全体の仕事のことであり、それらを指揮して教員の監督をすることが主な役割となります。
例えば、担任の先生を決めることは、校長先生の大切な仕事です。
学校外の人事は教育委員会が決定しますが、学校内で誰をどの学年に配置するかは、まさに校長の腕の見せ所です。
実際に、まだ経験の浅い先生を1年生や6年生に抜擢したものの、先生が休んでしまうこともあります。
一方で、若い先生に経験を積ませたいという思いもあり、非常に判断が難しいのです。
また、学校の行事等の最終判断も校長が行います。
例えば、コロナ禍において、学校行事をどのような形で行うかは各学校で判断が分かれますが、これらは校長先生が独自に決定しているからです。
出張はあるの?
市町村すべての小学校の校長先生が一堂に会する「校長会」は1~2か月に1回開催されます。
また、その他の出張は月に1~2回程度です。
したがって、ほとんどの時間を校長先生は学校で過ごすことになります。
職員室にいるの?校長室にいるの?
どちらにもいる、が正解です。
知り合いの先生の学校では、職員室にも校長の席があります。
そこに座っていることもありますが、パソコンが校長室にあるため、基本的に校長室にいることが多いようです。
また、校長室には面会用の席が設けられています。
面会者が訪れたときには校長室で面会します。
このように、校長室にこもりっきりの場合、その他の教員から見ても何をしているのかわからない存在となっています。
中には精力的に校内を回っている校長もいる
こうなると、なかなか校長のことを見ることもなくなってしまいますが、中には精力的に動き回っている校長もいます。
校内の見回り
積極的に校内を回って、授業の様子を見たり児童の様子を見るなどする人もいます。
正直言って、授業の現場を見てみないと、担任の先生がどれだけ苦労しているかを知ることはできません。
年に1回程度、全教員の研究授業を見る機会はありますが、やはり普段の様子を知ることはできないのです。
教員からの人望が厚い校長は、普段から教員のことをよく見てくれているケースがほとんどです。
逆に、普段校長室にこもって出てこない校長は、
「普段何も見てないくせに」
と教員から思われてしまっています。
校内の掃除
校内の掃除を積極的に行ってくれる校長もいます。
「自分はやることがないから」
と言いながら、率先してゴミや落ち葉拾いをしてくれる校長は、やはり子どもたちからも慕われています。
ここあたりは、人間性というか仕事への向き合い方というか、人によって千差万別なのが実態です。
朝夕の挨拶
朝・夕に正門に立って校長先生が挨拶をするのはどの学校も定番です。
校長にとっては、全校児童と関わることができるまたとない機会です。
ここで、大きな声で挨拶して子どもたちとコミュニケーションを取ったり、子どもの様子を観察するのも大事な仕事です。
というのも、子どもの問題が起きたときに、校長先生も会議の輪に加わり、判断を下さなければなりません。
しかし、その時に、子どもの普段の様子が全然わかっていないでは、判断を誤ることになりかねません。
全児童と名前と顔くらいは、最低限知っておいて欲しいというのが担任の先生の切なる思いでしょう。
校長先生って普段何してるの?まとめ
校長先生は授業をすることはできないため、子どもたちからも遠い存在になりがちです。
授業ができない分のカバーをどのようにして行うかが、子どもにとって近い校長になれるかどうかのポイントになります。
もちろん、教員にとってはまた違う判断基準があると思いますが、親としては子どもとの距離が近くてコミュニケーションを取ってくれる校長先生が安心できるのではないでしょうか。
担任の先生に関する記事はこちらをご覧ください。
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