コロナ禍で4回目の卒業式がもうすぐやってきます。
卒業生をもつ保護者の方は、今年がどうなるのか不安な気持ちだと思います。
毎年のように冬になると感染者が増加し、3月は予断を許さない状況です。
今年の卒業式がどうなるか不安な方は、ぜひご覧ください。
コロナ以前の卒業式の流れ
子どもの卒業式が初めてという方のために、まずはコロナ以前の卒業式がどのような流れで行われていたか解説します。
保護者の参加
卒業式は、当然保護者の参加が認められており、両親とも参加することができました。
子どもの隣に保護者席が1席用意されており、会場の後ろにはその他の家族席が設けられています。
お母さんが子どもの隣に、お父さんは家族席でビデオ撮影というケースが多いですね。
在校生の参加
卒業式には、卒業生だけでなく在校生も参加します。
小学校であれば5年生が参加します。
在校生からは歌や呼びかけが行われ、卒業生の門出を祝うとともに、卒業生から在校生へのバトンをつなぐ場ともなります。
卒業証書の1人手渡し
そもそも、卒業式とは卒業証書授与式を省略したものです。
壇上で、校長先生から子どもが一人ずつ卒業証書を授与されます。
名前を呼ばれ、大きな声で返事をして立ち上がり、壇上に上がって卒業証書を受け取る
この一連の流れが、卒業式のクライマックスであり、親としても子どもの成長を感じる瞬間です。
学校によっては、壇上で将来の夢や親への感謝を発表することもあります。
歌
最後の校歌斉唱と卒業の歌を合唱で歌います。
これまでお世話になった先生方や親への感謝を込めた合唱です。
この合唱のために、先生も子どもたちもたくさんの練習を重ねてきました。
最後の合唱は見ている人の心を打つものです。
式後の記念撮影等
卒業式が終われば、教室に戻って最後の時間を過ごします。
そして、校庭に出て花道で迎えられ、解散後は校庭でそれぞれ写真撮影。
6年間ともに過ごした仲間との記念撮影は、一生の思い出になります。
コロナ禍での卒業式
しかし、令和元年度からの卒業式は、新型コロナウイルスにより一変しました。
これまで準備を重ねてきた卒業式の内容は、密を避けるためにことごとく変更されたのです。
学校も創意工夫をして、なんとか制約の中でよい卒業式にしようと奮闘しています。
令和元年度卒業式
令和元年度3月は、コロナ禍による一斉休校中という異例の状況のまっただ中。
政府からは、
密にならないよう配慮して卒業式を行うこと
という見解が出されました。
しかし、十分な対策が取れないと判断した学校や自治体は、卒業式の取りやめを判断したところもあります。
その結果、卒業式を行えずに、2月末から1度もクラスメイトに会うことなく悲しい卒業をした子どもも多くいます。
また、なんとか卒業式だけは行ったものの、厳しい制約の中でなんともさびしい卒業式になったケースが大半です。
保護者の参加なし
卒業式は、親にとっても大きな節目。
しかし、厳しい人数制限の結果、保護者が参加できない学校も多くありました。
卒業式の晴れ姿をその目で見れなかった保護者の方は、なんとも無念だったでしょう。
祝辞の省略、来賓なし
卒業式の時間を短縮するために、校長先生からの祝辞や、これまでお世話になった来賓も大幅に縮小されました。
その結果、祝辞なしや来賓なしという学校が多かったです。
卒業証書授与は代表のみ
時間短縮と、接触を避けるため、卒業証書の授与は代表のみとなりました。
卒業証書授与は、子どもたちにとって、最も気持ちが引きしまる瞬間で、自分の成長してきた証にもなります。
代表が受けとるのを座って見ているだけでは、実感がわかないのではないでしょうか。
在校生なし
ともに学校生活を過ごしてきた下級生の参加も制限されました。
下級生から見送られることもなく、思いを託すことができないのは寂しくて心残りだったと思います。
心の準備が一切なし
そして、何よりも突然の一斉休校で、友だちと会うこともできなくなってしまったこどもたち。
本来なら、残り1か月を噛みしめながら友だちとも思い出を作りたかったはずです。
令和元年度の卒業成長たちが大きな心の傷を負ったのは言うまでもないことです。
令和2年度卒業式
令和2年度の卒業式もコロナが襲いました。
前年度同様に、卒業式を開催できなかったり、保護者の参加なしにするなどの制約が見られたところもあります。
しかし、2回目のコロナ禍の卒業式。
学校側は、なんとかして卒業式をさせてあげたいとさまざまな工夫を凝らしました。
卒業証書を全員に授与したい
東京都は、
卒業式は30分以内
と教育委員会から通知が出される中、ある小学校では71人の卒業生全員に卒業証書を授与するために先生方があれこれと案を出しました。
全員に卒業証書を手渡しするには児童もたくさん練習しました。
校長先生の祝辞も1分にまとめあげるなど、短縮するところはギリギリまで縮めました。
その結果、無事28分で終えることができたのです。
在校生が手話で歌
静岡県では、合唱ができないからと、手話で校歌斉唱を行った学校がありました。
その学校は、合唱で有名な学校だそうです。
先生だけでなく、子どもたちも卒業生のために何かしたいという気持ちの表れでしょう。
卒業生が個別に録音した歌で合唱
みんなで合唱ができないので、事前に卒業生一人一人が歌っている姿を録画して、当日にスクリーンで卒業生全員が歌う姿を流していました。
その場で合唱が行われたかのような迫力がありました。
卒業式の意味
改めて、子どもたちにとっての卒業式の意味とは何でしょうか。
卒業式は別れの儀式
卒業式は、共に過ごしてきた仲間たちとの最後の場であり、みんなへの別れをする場です。
また、これまで6年間過ごしてきた学校への別れの場です。
やはり、最後の日は、きちんとした別れをすることで区切りとすることができるのです。
次へのスタートのきっかけ
子どもたちは、小学校生活での思い出をもって、中学校に入学します。
しかし、卒業式を行えずにいた子どもたちは、きちんと終わることができていないので、前を向くことができません。
どこか後ろめたいような気持ちのまま中学生になり、すっきりしない気持ちで時間だけが流れていきます。
次へのスタートを切るためにも、やはり区切りが必要なのです。
感謝を伝える場
卒業式は、お世話になった先生や親に感謝を伝える場です。
やはり、お礼は最後の日に伝えてこそ意味があります。
感謝を伝えきれないまま卒業した子どもたちの心は、どこか晴れないものがあるはずです。
令和3年度卒業式
令和3年度は、過去2年とは異なり、平常時の卒業式に戻していこうという動きが見られました。
保護者の参加を2名まで認める学校も多く、校歌斉唱なども実行されました。
一方で、呼びかけや壇上で将来の希望を語るなどのプログラムは割愛され、あくまでも短時間で終わることを意識した式となりました。
今年の卒業式はどうなる?
コロナ禍で4回目の卒業式はいったいどうなるのでしょうか。
今のところ、できるだけ時間等を短縮しながらも、開催される見通しです。
しかし、第七波は猛烈な感染者を出しましたが、感染状況によって事態は変わってきます。
また、学校内で感染者が出た場合も、中止せざるを得なくなります。
引き続き余談を許さないコロナウイルスですが、学校側は、安全に配慮しながらも、過去2年間の経験を生かして、ぜひ卒業式を行ってほしいと思います。
コロナ禍の学校行事についてはこちら。
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