「国語の勉強方法がよくわからない」
「小学生の国語って、とりあえず漢字だけやればいいんでしょ?」
国語と言えば、小学生の中で一番多くの授業数を割いている最重要科目と言えます。
しかし、国語の得手、不得手は数字では計りづらいものがあります。
ともすれば、この子は文系脳、あの子は理系脳と決め付けてしまい、根本的な改善がされずに成長してしまうこともあります。
国語科の能力は、国語だけでなく他の教科にも大きな影響を与えると考えられています。
例えば、算数の文章題が苦手な子どもは、国語科の読む力が付いていないことが多くあります。
小学生の子どもの国語の勉強方法に迷っている方は、是非ご覧ください。
なお、この記事は現役小学校教諭の助言に基づいて作成しています。
小学校の国語ではどのようなことを勉強するのか
そもそも、小学校の国語ではどのようなことを勉強するのでしょうか。
漢字?文法?
など、フワッとしたイメージはあるものの、詳しくは理解していない人が多いです。
まずは、学習指導要領に沿って、学年ごとに学ぶ内容から確認していきましょう。
こちらは一例です。
第1学年及び第2学年 | 第3学年及び第4学年 | 第5学年及び第6学年 | |
文や文章 | 文の中における主語と述語との関 係に気付くこと。 |
主語と述語との関係,修飾と被修 飾との関係,指示する語句と接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。 |
文の中での語句の係り方や語順, 文と文との接続の関係,話や文章の構成や展開,話や文章の種類とその特徴について理解すること。 |
構造と内容の把握 | 時間的な順序や事柄の順序などを 考えながら,内容の大体を捉えること。 |
段落相互の関係に着目しながら, 考えとそれを支える理由や事例との関係などについて,叙述を基に捉えること。 |
事実と感想,意見などとの関係を 叙述を基に押さえ,文章全体の構成を捉えて要旨を把握すること。 |
精査・解釈 | 文章の中の重要な語や文を考えて 選び出すこと。 |
目的を意識して,中心となる語や文を見付けて要約すること。 | 目的に応じて,文章と図表などを 結び付けるなどして必要な情報を見付けたり, 論の進め方について考えたりすること。 |
このように、学年ごとにカリキュラムが組まれていますので、子どもの学年に合わせた対策をとる必要があります。
いきなり難しいことに挑戦させると子どもは意欲を失いますが、簡単すぎるものばかりでも飽きてしまいます。
子どものレベルに合わせながら、適切なタイミングで進められることが大切です。
また、できるだけ分野に偏りがないよう、まんべんなく学習させるとよいでしょう。
アプリ学習がおすすめな理由
子どもが楽しんで取り組める
子ども向けのアプリは、子どもが飽きないような工夫がたくさんあります。
楽しいキャラクターや、正解するとレベルが上がるなど、子どもがつい楽しくなります。
国語の勉強は、読み書きを続けると苦痛に感じる子どももいます。
その点、アプリであれば楽しんで取り組めるので、第一関門突破です!
親が側で教えなくてもよい
低学年の子どもの勉強は、基本的に親が隣にいて逐一教えてあげるイメージがあります。
実際、問題文の意味がわからなかったり、何をしたらいいかわからなかったりすると、親の助けが必要なことが多いです。
しかし、アプリであれば次に何をすべきかを視覚的に案内してくれます。
また、音声案内機能があるものもあり、子どもが勝手に一人で進めていけるようになっているのです。
子どもに勉強を教えたいのに、家事や仕事などで忙しくて時間が取れないという人に、アプリ学習がオススメです。
子どもが自分から勉強するようになる
勉強で一番大事なことは、子どもの主体性です。
というのも、親からやりなさいと言われて勉強を始めたとしても、人から言われたことはやがて苦痛になり、長続きしません。
アプリは楽しい要素がたくさんあるため、子どもが自分からアプリを開いて勉強しようとします。
また、机や鉛筆がなくても簡単に始めることができます。
これはとても素晴らしいことで、主体的にする勉強は、少し難しいことがあっても簡単に投げ出すことはありません。
子どものやる気をサポートする意味でも、アプリ学習はおすすめできます。
お金がかからない
学習アプリは基本的には無料のものがほとんどです。
無料なので気軽に始めることができますし、子どもに合わないと感じたら、別のアプリを試してみればよいので、勉強のハードルが非常に低く始められます。
初めからワークを購入すると、親もついやらせようと躍起になってしまいますが、子どもに勉強を押し付けるのは長い目で見て良くありません。
国語科でアプリ学習に向いているもの、向いていないもの
国語科と一言で言っても、さまざまな能力が求められます。
その中でも、アプリ学習に向いているものと向いていないもの(アプリそのものがないもの)があります。
アプリ学習に向いているもの
ひらがな・カタカナ
ひらがな、カタカナは小学1年生の初めに学習します。
入学した時点で、既に多くの子どもがひらがな・カタカナの読み書きができる状態になっていますが、まだ追いつくことは可能です。
ひらがな・カタカナの学習は、とにかく数をこなすこと。
そして、日常的にたくさんの文字に触れることです。
アプリ学習は、手軽に取り組めるため、繰り返し学習が必要なひらがな・カタカナにはとても向いていると言えます。
漢字
ひらがな・カタカナ同様に、漢字学習もどれだけ多く触れるかがポイントになるため、アプリ学習に向いていると言えます。
ことわざ、慣用句、四字熟語
ことわざ、慣用句、四字熟語についても国語科で学習します。
しかし、学習頻度が低いため、その時に覚えてもすぐに忘れてしまいます。
そこで、繰り返し学習に最適なアプリはこれらを身につけるために適した学習方法と言えます。
アプリ学習に向いていないもの
読み取りに関する能力
高学年になるにつれて、文章の深い読解力を求められるようになります。
現在のアプリは、読み取りに適したものはまだありません。
理由は、アプリの小さな画面では、文章をしっかり読み込むのに適していないからと考えられます。
書き取りに関するもの
書き取りとは、漢字ではありません。
自分の考えや感想を書くものです。
アプリでは、長い文章に対する採点機能に難があるため、これらの能力を伸ばすには別の方法を考える必要があります。
話す、聞く
国語科には話す、聞くという観点があります。
要点をまとめてわかりやすく説明する能力や、要点を聞き取る能力です。
これらについても、アプリ学習は対応していないため、別途対策を考える必要があります。
国語ってどうやって勉強するの?小学生の国語無料アプリおすすめ8選
それでは、小学生の国語アプリのおすすめを紹介します。
国語科にはいくつか分野があるので、分野ごとにおすすめを紹介します。
国語アプリ【ひらがな・カタカナ】
ひらがな・カタカナは、前述の通り、小1の初めに学習します。
ひらがな・カタカナはとにかくたくさん触れることが大切です。
いきなり紙と鉛筆に書かせるのは、大人が思うよりもハードルが高いもの。
まずは、たくさん見て、アプリでなぞり書きなどをさせて慣らされるようにしましょう。
ワオっち!ランド
ワオっち!ランド
WAO CORPORATION無料posted withアプリーチ
・範囲 全部
・なぞり書き あり
・カタカナ あり
・音声 あり
・楽しさ ◎
キャラクターがかわいい
たくさんのゲームがある
なぞり書きもある
数やおえかきなど他のジャンルが豊富
ひらがなの他にもあいさつや数、季節などさまざまな知育学習がひとつに詰まったアプリです。
無料の教育アプリの一位に輝くなど、大変人気の高いアプリです。
全部で29種類のゲームがあり、ジャンルも豊富です。
タイトルを見ただけでも、ワクワクしてきます。
・もじとかいわ
・かずとけいさん
・ずけい
・ぱずる・かんがえる
・おえかき・つくる
ひらがなの学習についても、たくさんの工夫がされています。
しりとりで絵を選んでおうちに帰るゲームや、お城の中の「3もじのま」でイラストの名前を選ぶなど、小さな子どもが喜んで取り組めるゲームが盛りだくさん。
難易度が設定できるので、子どものレベルに合わせることができます。
一つ一つのゲームに対象年齢が書かれていますので、参考にすると良いでしょう。
このアプリは、ひらがなの学習だけでなく、小学校入学前の子どもに役立つ要素が全て詰まっている優秀なアプリです。
たくさんのゲームがある分、データ容量が大きくダウンロードに少し時間がかかるのが難点です。
ぐーびーともじあそび
ぐーびーともじあそび -3歳からのひらがな練習用知育アプリ-
Kazue Kuga無料posted withアプリーチ
・範囲 全部
・なぞり書き あり
・カタカナ あり
・音声 あり
・楽しさ ◎
キャラクターがかわいい
たくさんのゲームがある
なぞり書きもある
かるたゲームやもぐらたたきゲームがある
総合的に見て完成度の高い優れたアプリです。
かわいいキャラクターが呼び掛けをしてくれるアプリで、ゲームの数が豊富で子どもが飽きないように工夫されています。
風船割りゲームやしりとりゲーム、もぐらたたきゲームなど、大人でも楽しくなるようなゲームが盛りだくさん。
ゲームオーバーがないので、失敗しても何度でも挑戦できます。
ゲームオーバーがないことは案外大切なことで、子どもが挫折しないような工夫がされています。
もちろん,ゲームと言ってもひらがなのゲームなので学習効果もバッチリです。
風船割りやもぐらたたきは、文字を覚えるのに最適ですし、しりとりではひらがなを使った単語を覚えることができます。
なぞり書きもあるので、文字の形や書き順を正しく覚えることができます。
また、得意な文字や苦手な文字の登録ができますので、なかなか覚えられない字を重点的に学習することができます。
たのしい!ひらがな
たのしい!ひらがな
yuki nakamura無料posted withアプリーチ
・範囲 無料版は「あ」行から「た」行まで
・なぞり書き あり
・カタカナ なし(別アプリ)
・音声 あり
・楽しさ ◎
てんとう虫や動物などかわいいキャラクターがたくさん
音声案内が子ども向け
おぼえたリストがあり、理解度がわかる
てんつなぎゲームがある
ひらがなをなぞり書きして覚える学習アプリです。
子ども向けにかわいい音声案内があるので、子どもは楽しんで取り組むことができます。
例えば、なぞり書きで「て」の文字をなぞる時は、なぞった箇所にてんとう虫の絵が出るとともに、「て・て・て・て・て・・・」と音声が流れるます。
かわいいキャラクターがたくさん登場したり、てんつなぎなどゲーム感覚で覚えられるコーナーもあり、子どもは楽しんで勉強できること間違いなしです。
おぼえた文字リストもあるので、子どもがどこまで理解しているかわかります。
無料アプリの範囲がタ行までなのが惜しいところです。
その他に、ひらがな・カタカナアプリのおすすめはこちらの記事をご覧ください。
国語アプリ【漢字】
ひらがな・カタカナの学習が終われば、次は漢字を学習します。
1年生で80字、2年生以降は160字以上の新出漢字を習います。
漢字は一朝一夕には覚えることができません。
アプリを効果的に活用して、楽しく学習しましょう。
小学生手書き漢字ドリル1026
小学生手書き漢字ドリル1026
Gakko Net Inc.無料posted withアプリーチ
・範囲 全学年
・書き あり
・音声 あり
・楽しさ ◯
・全学年の漢字をカバー
・新出漢字を五つずつ出題
・書きのみ
・今日の名言がある
漢字を書いて覚える学習アプリです。
教育専門誌や書籍、教育委員会のウェブサイトでも取り上げられるほど人気のあるアプリです。
小1から小6までの全学年をカバーしています。
各学年の漢字は、五つごとに出題されます。
文字判定のハネは少し甘めでも大丈夫。
苦手な文字は繰り返しトライすることができます。
全問正解すると表彰状ももらえますよ!
少し広告が多いかな、と思うのが惜しいところです。
小学一年手書き漢字ドリル
小学1年生の手書き漢字ドリル ~縦書きアプリシリーズ~
フロンティア・システムソリューションズ無料posted withアプリーチ
・範囲 1年生(学年ごとに別アプリ)
・書き あり
・音声 あり
・楽しさ ◯
読みと書き問題がある
成績表に、それぞれの漢字の正解率が出る
読み・書き両方に漢字を覚えるアプリです。
書き問題は、指で書いた文字が浮き出てくる方式です。
書きの練習は、大きな画面に書くことができます。
画像がかなり見やすく、総合的に見て完成度の高いアプリと言えます。
国語海賊1~6年
国語海賊~小学漢字の海~
Fantamstick無料posted withアプリーチ
・範囲 全学年
・書き なし
・音声 あり
・楽しさ ◎
・感覚で冒険を楽しめる
・主に漢字の読みが強くなる
・書きは選択肢から選ぶ
冒険ゲームのように海賊と漢字問題でバトルしながら進んでいくアプリで、特に子どもが喜びそうな仕掛けがたくさんあります。
例えば、回答するときは爆弾を投げつけて相手を倒したり、正解するごとに宝箱がもらえてボーナスがたまればお宝がゲットできます。
漢字の書き問題もありますが、指でなぞるのではなく複数の選択肢から選んで回答するので、どちらかと言えば読みを重視したアプリと言えます。
間違えた問題を記録してくれますので、苦手な漢字を重点的に覚えることができます。
その他に、漢字アプリのおすすめはこちらの記事をご覧ください。
国語アプリ【国語全般】
国語の勉強は、漢字だけではありません。
国語の総合的な力を身に付けたい方は、こちらのアプリをご覧ください。
ビノバ国語シリーズ
ビノバ 国語 -小学1年生-
funspire, Inc.無料posted withアプリーチ
おすすめ度 5.0
情報量 ◎
楽しさ ◎
・教科書の進捗度に合わせてコンテンツが分けられている
・学校や塾でも取り入れられている
・ステージをクリアするとモンスターがゲットできる
・問題数700問
これまでに、たくさんのアプリを作成しているビノバシリーズ。
ダウンロード数も多く、大変人気のアプリです。
ロールプレイングゲームのように、ステージをクリアしていく感覚は、子どもにとってとても刺激的で楽しいようです。
このアプリは、楽しいだけが特徴ではありません。
本当にすごいのは、その充実したコンテンツにあります。
問題数700問というドリル並みの分量に加え、教科書の全範囲をカバーしています。
また、単元ごとに分けられているので、分野を絞った勉強が可能です。
・漢字(1学期)
・言葉の意味(熟語等)
・漢字(2学期)
・詩、短歌、俳句
・漢字(3学期)
・古文、漢文
・敬語
・文法、慣用句
問題は4択形式なので、負担になり過ぎることはありません。
国語の総合的な学習をしたい方におすすめのアプリです。
小学生国語中学入試問題テスト
小学生国語 中学入試問題テスト
Naoki Nomura無料posted withアプリーチ
おすすめ度 4.0
情報量 ◎
楽しさ ◯
・漢字の他に、同音異義語、対義語等の学習ができる
・文法の学習ができる
・文学史も網羅
アプリのタイトルは中学入試とありますが、国語を網羅的に学習したい人におすすめです。
漢字以外にも、ことわざや慣用句なども掲載されています。
おもしろいのが、文学史についても取り上げている点です。
利用者の声にもありますが、ちょっとした雑学として大人がやってもおもしろいアプリとなっています。
もちろん、中学入試にも活用できますよ!
アプリ学習の次にすべきこと
アプリによって、子どもが国語に対して興味を持ったら、次は何をしたらよいでしょうか。
前述の通り、アプリ学習にはカバーできない分野があります。
その点を中心に力を付けていくことが望ましいと言えます。
読書に親しむ
読み取る力を伸ばすためには、読書は最適です。
ジャンルは子どもが好むもので構いません。
とは言え、親がいきなり「読書しなさい」と押し付けても、子どもは抵抗してしまいます。
はじめのうちは親による読み聞かせが効果的です。
「小学生にもなって読み聞かせ?」
と思う人がいるかもしれませんが、小学校では保護者による読み聞かせの時間があるところが多く、また先生が読み聞かせをした場合でも、子ども達は食い入るように聞くそうです。
これは小学6年生でも言えることです。
いずれは一人で読書することが望ましいですが、それまでは親が一緒に読み聞かせてあげましょう。
読書感想文にチャレンジ
自分の考えをわかりやすくまとめることは、社会人になっても必要なスキルです。
まして、これからの時代は、知識はインターネット等で簡単に手に入ります。
AIでも代替可能です。
これから求められる能力は、多くの情報の中から必要な物を取捨選択し、自分の意見として相手にわかりやすく伝える能力です。
そこで、チャレンジして欲しいのが読書感想文です。
読書感想文は、2年生までが800字、3年生以降が1200字を書かなければなりません。
この文字数を、要点をまとめながら組み立てるのは大人でも難しいものです。
初めは親子共々大変だと思いますが、是非夏の思い出に毎年チャレンジしてみてください。
きっと、将来役に立つはずです。
通信教育を活用する
これから先も、子どもはたくさんのことを勉強します。
そして、勉強は中学生になってもずっと続いていくものです。
その際に、子どもにとって一番大切になるのは、自分から学習しようとする習慣が身に付いているかどうかです。
いつまでも、親が勉強しなさいと言い続けるわけにもいきませんし、自ら学ぼうという姿勢がないと学力も思ったように伸びていきません。
そこで、学習アプリを終えた子どもに、さらに自学自習の習慣を身に付けさせるためには、別の教材を用意する必要があります。
市販の教材や通信講座がそれに当たります。
例えば、進研ゼミは毎年100万人以上の小学生が新規に受講しています。
【進研ゼミ小学講座】
国語ってどうやって勉強するの?小学生の国語アプリまとめ
国語科は、小学生において最も重要な科目といって間違いありません。
特に読解力は、他の科目にも大きく関わってきます。
でも、国語科の学習をどうすればよいのかをきちんと理解している人は多くありません。
国語科では総合的な学力が求められます。
漢字など、特定の分野に偏ることなく、読むこと、書くこと、話すこと、聞くことをバランス良く学習する必要があります。
まずは、アプリ学習を活用して、子どもが自ら学習する習慣を身に付けましょう。
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