小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因を考える。

いじめ・友人関係
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小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因を考える。

「我が子がいじめに遭っているんじゃないか」
それは、どの親にとってもつらく悲しいことです。
子どものいじめについて悩んでいる人はぜひご覧ください。

まず初めにはっきりと言わなければならないことがあります。
いじめは間違った行いであり、人を深く傷つける行為であること。
いじめは許されない行為であり、誰にも人を傷つける権利などないこと。
以上2点が揺るがないボクの考えです。

しかし、一方で間違いなく断言できるのが、子どもの世界にはいじめがあり、それは決してなくならないということです。
実際、文部科学省の調査では、平成30年度の1年間の小学校でのいじめ認知件数は約425,000件で前年度と比べて約30%も増加しています。
いつ我が子がいじめに遭うか、親としては非常に不安な状況です。

いじめは悪だが、必ず存在する
この矛盾を抱えながら、ボクたちは子ども社会のいじめの原因について考えていかなければなりません。
この記事は小学校教諭の知人の助言を得ながら作成しました。

小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因とは

小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因を考える。
小学生のいじめは年齢によって違いがあります。

【小学生のいじめの原因及び特徴】低学年

低学年は心が未成熟なことから、直接的な行動によるいじめが多い特徴があります。
具体的には、叩いたり蹴ったりするような暴力によるものや、相手の悪口を言うようなものです。
いずれも、低学年のうちは、言葉では自分の気持ちをうまく表現できない場合があります。
怒ったり、不快に感じた場合に、つい手が出てしまいます。

また、相手の気持ちを想像することについても未成熟な面があります。
「こう言われると相手は嫌な気持ちになるだろうな」
と考えてから行動することができないため、目の前の相手に対して衝動的に嫌な言葉を発したり行動したりしてしまうのです。

【小学生のいじめの原因及び特徴】中学年

男子のいじめ

中学年の男子は、低学年の頃とあまり変化はありません。相変わらず暴力によるものや、乱暴な言葉によるいじめが多数を占めます。

女子のいじめ

女子は男子に比べて精神的な成長が早く、中学年になるとグループを作って活動するようになります。
いつも同じグループで行動すると、いろいろなあつれきが生まれるようになります。
グループ内での仲間外れや無視など、低学年では見られなかったいじめが出てきます。

【小学生のいじめの原因及び特徴】高学年

男子のいじめ

高学年になると、クラスの中で権力のある男子とそうでない男子の差が目立つようになります。
リーダー的な男子を筆頭にして、一つの大きなまとまりができ、それ以外の男子に対して攻撃的な行動をとることがあります。

女子のいじめ

高学年はいじめが1番起こりやすい時期です。同じグループの中で誰かを仲間外れにしたと思ったら、次の日には別の子にターゲットが変わっているということも起こります。
「◯◯が私たちから離れて別の子と仲良くした」
と言った、グループの仲間意識が強いことによるいじめが増えてきます。

いじめられる子どもの特徴

小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因を考える。
いじめられる子どもが悪いなんて、絶対にありません。
しかし、いじめられら子どもにはいくつかの共通点があることも真実です。
真実から目を背けないために、あえて深く考えることにします。

いじめについては、加害者の立場に立って考えてみるとわかりやすいです。
いじめをする加害者は、どこか心が満たされておらず、自分の心を満たすためにいじめをします。
その時の加害者に共通している心理は、

自分より下の人間がいると安心する

です。
何か、自分と違う特徴を持っている子どものことを、いじめの対象とすることで自分より下の存在とみなして心を満たしているのです。

では、いじめられる子どもの特徴を紹介します。

気が弱い、言い返せない【いじめられる子どもの特徴】

小学生で一番多いパターンがこれです。
気が弱く、相手の言いなりになってしまう子は、周囲からあれこれと命令をされやすくなります。
嫌なことをされるたびに、拒絶することができれば深刻化しないのですが、言い返せずにいるとどんどんエスカレートしていきます。
問題が発覚した時に、加害者の自動を問い詰めると、必ず出てくる言葉が、

「相手が嫌そうじゃなかったから」

です。
もちろん、言語道断ですが、毅然とした拒絶ができないと、いじめられやすくなってしまいます。

いつも一人でいる【いじめられる子どもの特徴】

子どもたちは、日中、教室という非常に狭い空間で過ごさなければなりません。
いつも一人でいる子どもは、目立ってしまいます。
また、「友だちはたくさんいる方がいい」という風潮があるため、一人でいる子はいじめのターゲットになりやすいのです。
いじめをしてくる側は、たいていは複数人います。
複数対一人なので、言い返しせなくなります。

身体的に特徴がある【いじめられる子どもの特徴】

「デブ」
「チビ」

と言った身体的な特徴を悪くいうことは絶対に許されません。
しかし、東京オリンピックの渡辺直美さんの問題でもあったように、人の心の中に、周りとは違う容姿の人に対する差別的な意識があることは否定できません。

子どもはストレートに態度で表してしまうことから、身体的な特徴のある子が悪口を言われたりすることはよくあることなのです。

筋力が弱い【いじめられる子どもの特徴】

これは特に男子に言えることですが、力が強い子はいじめられにくいです。
相手からしても怖いからです。
逆に、力が弱い子は、加害者は「勝てる」と思って強気になる傾向があります。
いじめられる子も、「力ではかなわない」と思うと相手の言いなりにならざるを得ません。

周りに比べて特別苦手なことがある【いじめられる子どもの特徴】

のび太をイメージしてもらうとわかりやすいですが、スポーツができなかったり、毎回テストで0点を取ったり。
苦手なことは、周りからバカにされやすいです。
ただし、勉強ができないことは小学生のうちはいじめの対象になることはあまりありません。
むしろ、スポーツや音読ができないなど、ぱっと見でわかりやすいものの方がターゲットになりやすいです。

周りと家庭環境が異なる【いじめられる子どもの特徴】

例えば、両親が離婚していてシングルマザーの家庭などです。
これは、加害者の子どもだけの問題ではなく、周りの大人がそのような目で見ているということも大いに関係しています。

片親だから育ちが悪い
父親がいないから貧乏だ

などと、家庭内で親が話しているのを聞いて、自然と子どもがそのように思って学校で本人に話してしまうなどがあります。

嫌がられる行動をとる【いじめられる子どもの特徴】

人の嫌がるような行動を繰り返していると、周りから反発を招きます。
例えば、叩いたりちょっかいをかけたりするなどです。
クラスの中で孤立していき、やがていじめが生まれるという構造です。

清潔でない【いじめられる子どもの特徴】

髪の毛を何日と洗っていなかったり、衣服が汚れていたりなど、不潔な印象は周りからのイメージがよくありません。
特に高学年になるほど、不潔な印象はいじめの対象となります。

子どもがいじめられているのではないかと感じたときの親の対処法

小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因を考える。

子どもから相談してくるとは限らない

まず最初に親が理解しておかなければならないのは、子どもがいじめられていたとしても、必ずしも親に相談してくるかはわからないことです。
親に相談しない理由は大きく3つあります。

理由①親に言うのが恥ずかしい

学校でいじめに遭っている
これは、子どもの自尊心を深く傷つけることであり、子ども自身も認めたくない事実です。
まして、自分がいじめられているなんて、親にも言いたくないと思う子どもはたくさんあります。

親として気をつけなければならないのは、普段の子どもとのコミュニケーションのとり方です。
普段からいろいろな話ができていれば、子どもも相談しやすいでしょう。
しかし、普段子どもの話をロクに聞かなかったり、いつも「勉強のことで怒ってばかり」という状況では、子どもは心を開いて親に相談できません。
もう一つ気をつけてほしいのが、テレビでいじめのニュースを見た時の親の反応です。
「いじめられる方にも原因がある」
「いじめられる方もやり返さないと」

というような発言を無意識にしている様子を子どもはしっかりと見ています。
自分がいじめられた時に、同じように言われたらどうしようと思うと、相談しにくくなります。

これは実際にあった話ですが、自分がいじめられている子どもが、その様子をクラスの他の友だちのこととして親に話した時に、親が「いじめられる方が悪い」という趣旨の発言をしたため、子どもは親に相談できなくなったというものです。

いじめはとてもデリケートな話なので、まずは親がじっくりと話を聞いてあげられる関係を作ってみるといいです。

理由②親に心配かけたくない

子どもは親に心配をかけたくないと考えています。
我が子がいじめられていると知ったら、親はどれだけ悲しむかをよく理解しているのです。
だから、ギリギリまで我慢しようとして子どもが親に言い出せない場合があります。

理由③報復されるのが怖い

親に事実を伝えると、事が大きくなって、結局は今以上にいじめがひどくなると思ってしまい、子どもが相談しない場合があります。
まだまだ判断力のない子どもなので、ここで我慢した方がいいのではないかと考えてしまうのです。

子どものサインを見逃さないで!いじめの見つけ方

上記のように、子どもから相談してくるとは限らないため、親が子どもの様子を確認しなければなりません。

子どもに学校の様子を聞く

普段から、「今日学校で何かあった?」と聞くようにしましょう

我が子以外にも他の子どもの様子も聞いてみましょう。
すると、案外問題となるような行動をとっている子どもがいます。
例えば、「誰かの赤白帽を取って投げた」や、「誰かをバカにしていた」などです。
クラスの全体の様子がわかると、いじめをしそうな子が浮かび上がってきます。

日頃から学校の様子や人間関係を聞いておくと、いざと言う時に子どもも話しやすくなります。

子どもの家での様子をよく見る

最近元気がない
食欲がない
朝なかなか起きられなくなった

など、子どもの心を心配するような変化を見逃さないようにしましょう。
少しでも気になることがあれば、本人に尋ねるなど、そのままにしないことが大切です。
数日で収まれば特に心配ないかもしれませんが、その状態が続くようであれば学校に相談するなどの対応をとるようにしましょう。

ノートや教科書にイタズラをされていないか確認

いじめられている場合、ノートや教科書にイタズラをされたり、えんぴつや消しゴムなどの物がなくなるという嫌がらせをされるケースがあります。
また、傘などの物が壊されると言うこともあります。
学校で物が無くなったり壊されたりした場合は、基本的に学校に管理責任があるので、学校側に詳しい状況の説明を求めるようにしましょう。

学校に聞く

気になることは担任の先生に聞いてみるとよいでしょう。
直接的ないじめは見ていなくても、学校での様子や気になることを聞けるかもしれません。
また、今後気を付けてみておいてほしいというメッセージにもなりますので、いずれにしても気になることは学校に聞いてみるとよいでしょう。

友人に様子を聞く

いじめは先生のいない場所で行われるため、先生が気づいていないケースがほとんどです。
しかし、クラスメイトの前では平気でいじめは行われるため、クラスの友人に最近の様子を聞いてみるのも一つの手です。
クラスメイトも、加害者のことが怖くて言い出せないケースもありますので、その子の不利にならないよう配慮しながら聞く必要があります。

子どもとのコミュニケーションで悩んでいる人はこちらをご覧ください。


わが子がいじめられていた場合の対処法

学校に確認・相談する

子どもからいじめの相談を受けたら、すぐに学校に連絡をして面談を申し出ます。
実際はこちらから申し出をしなくても、学校側から説明の機会があるはずです。
今の学校の対応としては、担任一人ではなく、必ず教務主任または教頭が面談に同席するはずです。
学校に相談する前に、子どもからできるだけ詳しく状況を確認しておきましょう。
学校も自体を把握していないケースもあります。
こちらの情報が少ないと、有意義な話し合いができない可能性があります。

状況説明では、以下の点を意識してまとめるとよいです。
・いつ、誰に、どのようなことをされたか。
・どれくらいの期間、どれくらいの頻度で行われているか。
・周りで見ていた子はいるか。
・加害者の様子

面談の翌日には、加害者の児童への聞き取りが行われますが、事実確認後は加害者の親への報告がいきます。
いじめは重大事案なので、加害者の親も学校に呼ばれることになります。
場合によっては親同士の話し合いもありますが、必ず学校を間に挟むようにしましょう。
加害者の親も、子どもがいじめを行っていると認めたくない気持ちがはたらくので、親だけで話し合うのは得策ではありません。

学校に相談し、いじめがなくなったとしても、その後の動きも注意してみておきましょう。
加害者の子どもは反省せず、逆恨みする可能性もあります。
その後の様子も学校から報告させるようにしましょう。

子どもを守る・ケアする

いじめに遭った子どもは、精神的に大きなダメージを受けます。
いじめをする相手がクラスにいることが、どれだけ心の負担になるかわかりません。
子どもを守ってあげられるのは親しかいません。
これまでよく頑張ってきたことを褒め、認めてあげましょう。
場合によっては、しばらく学校を休ませることも考えましょう。
できれば学校は休まず行ってほしいと思う気持ちはわかりますが、逃げ場を与えてあげないと子どもがつぶれてしまう可能性があります。

あなたは存在していい人間だ

いじめられている間、子どもは自分自身の存在価値について考えていた可能性があります。
加害者から存在そのものを否定されるような扱いを受けてきたかもしれません。
まずは、子どもの自己肯定感をしっかりと守ってあげましょう。
子どもの顔を見て、「あなたはそのままで、十分存在していい人間なんだよ」ということを言ってあげましょう。

いじめが発覚したときの、親の対応方法はこちらをご覧ください。

子どもがいじめにあった時の親の対応方法を紹介します
もし子どもがいじめにあっていたとしたら、親は冷静ではいられないでしょう。でも、冷静さを欠いた親の対応は、子どもを失望させ、いじめを深刻化させるおそれがあります。子どもがいじめにあった時の対応方法を紹介します。

 

小学生のいじめはなぜ起きる?子どもがいじめられる原因まとめ

いじめは許されない行為ですが、小学校のいじめ件数は年々増加しているのが現状です。
いじめられる子どもには共通する特徴があるのも事実です。
わが子にがこれらの特徴に該当していないか確認し、もし自分で気を付けることができる部分は対応しましょう。
しかし、いずれにしていじめられていいという道理はありません。
わが子がいじめられているかもしれないと思えば、学校に対して積極的な対応を求めましょう。
その上で、親として子どものことを精一杯守って、心のケアをしてあげましょう。
子どもを守ってあげられるのは親しかいません。

学校への相談については、こちらをご覧ください。

子どもがいじめに遭ったら?まずは学校を信頼して相談することです
子どもがいじめに遭っていることがわかったら?まずは学校を信頼して相談するのが一番です。いきなり加害者のところに行くの性急すぎますし、頭に血が上って教育委員会に駆け込むのもよくありません。事情を一番把握している学校が一番信頼できる相談相手です。

 

コメント

  1. […] […]

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