「また緊急事態宣言が出た!」
「今年の6年生は修学旅行行けるかな?」
新型コロナウイルスによって、修学旅行のことが心配な方は是非ご覧ください。
この記事は、現役小学校教員の助言を受けて作成しています。
実際の学校現場が、どのような苦労をしながら苦渋の決断をしているかを知っていただければ幸いです。
コロナ禍の修学旅行事情!中止・延期で子どもも先生も大変です!
新型コロナウイルスの蔓延により、学校現場でもさまざまな影響が出ています。
その中でも、特に大きな影響が学校行事の中止や延期です。
特に、学校生活の中で1番の思い出となるはずの修学旅行が、新型コロナウイルスのために延期や中止を余儀なくされています。
子どもにとっては、一生に一度の経験です。
親としてもなんとか行かせてあげたいと思うはずです。
それは、学校の先生も同じです。
しかし、例えば緊急事態宣言が出ている場合に、強行して行くわけにはいきません。
たとえ、修学旅行に向けて準備をしていたとしても、延期や中止を判断せざるを得ないこともあるのです。
令和2年度の修学旅行はどうだった?
令和2年度は、多くの学校が新型コロナウイルスにより、修学旅行の変更を余儀なくされました。
令和2年度の修学旅行の実施状況を見てみましょう。
こちらは、令和3年3月に発表された公益財団法人全国修学旅行研究協会による「令和2年度修学旅行実施状況並びに「学びの集大成を図る修学旅行」の取組について」から抜粋したものです。
この調査は、全国3,000校以上の公立中学校に対して行った調査です。
調査の結果、修学旅行を実施した学校は約2,000校で全体の1/3が中止となったことが判明しました。
また、実施時期についても、当初は5月予定が大半でしたが、ほぼ全ての学校が9月以降に延期になりました。
令和2年度は、5月はまだ全国一斉休校が行われていたこともあり、とても修学旅行に行けるような状況ではなかったと言えます。
中学校だけでなく、多くの小学校でも修学旅行が中止されました。
令和3年度以降はどうなる?
文部科学省の方針
令和2年度の実施状況を受けて、文部科学省では、令和3年4月1日付で「令和3年度修学旅行等の実施に向けた配慮について」という通知を発しました。
その内容は、
修学旅行等(修学旅行、遠足、社会科の見学、移動教室、体験活動などの校外 で行う活動を含む。)は、子供たちの学校生活に潤いや、秩序と変化を与え、思い出に残るなど、有意義な教育活動です。
現下の状況において、各学校や学校設置者におかれては、感染状況等を踏まえ、引き続き、感染防止策の確実な実施や保護者などの御理解・御協力を前提に、実施に向けての特段の配慮をお願いします。
というものです。
文部科学省としても、修学旅行は何としても行かせてあげたいという思いがあるのです。
修学旅行が中止になった場合の対応
修学旅行の中止の判断は、実は学校単位で行われます。
もちろん、緊急事態宣言下では修学旅行は行わないなどのガイドラインに従うものではありますが、実施時期や実施の可否は学校が行います。
できる限り、冬まで延期をしようとする学校もあれば、秋の時点で実施できなければ中止と判断する学校もあります。
中止の場合の代替措置として、近隣の施設に校外学習に行くなどの措置が取られた学校もありましたが、やはり、友達との楽しい思い出を作れなかったことは、子どもたちの心に大きなショックとなりました。
子どもの心のケアも必要
修学旅行は、子どもが学校生活の中で一番楽しみにしている行事です。
これは、大人が思っているよりも、もっと深刻な問題として捉えるべきです。
大人であれば、
コロナだから仕方ないだろう
で、片付けられることかもしれません。
しかし、まだ精神的にも未熟な子どもは、この事実をうまく受け止めることはできません。
また、修学旅行は初めから中止となるとは決まっていないのです。
つまり、学校では修学旅行に向けた準備が着々と進められます。
班や部屋割りだけでなく、事前の調べ学習やバスの中でのレクなど、子どもたちの気持ちも高まっていきます。
絶対に行ける
と信じていた修学旅行に行けなくなったことに対して、大人は子どもの心のケアを考えなければならないです。
小学生が開発したコロナ対策アプリについてはこちらをご覧ください。
旅行会社も振り回されている
学校以外にも修学旅行の影響をもろに受けているのが旅行会社です。
コロナで緊急事態宣言が発出されるたびに、修学旅行の日程が変更されます。
変更されるだけでも大変なのですが、もっと大変なのがある時期に多くの学校が集中することです。
実際、令和3年度は春から夏にかけて緊急事態宣言が発出されたことに伴い、多くの学校は春の修学旅行を延期しました。
その結果、大半の学校が秋に修学旅行が集中します。
旅行会社の人は添乗員として旅行に付き添いますが、旅行中は先生と同様に休まる瞬間がありません。
修学旅行では、子どもたちの就寝時間後に先生たちの会議が行われますが、添乗員も参加します。
このような過酷な日々が連日のように続いた結果、旅行先の部屋で添乗員の方が亡くなっていたという悲しい事態も起きてしまいました。
過労が原因だったとのことです。
保護者が思い出作りをサポートするのも一つ
小学生や中学生の頃の思い出に、修学旅行を挙げる人はたくさんいます。
僕も、学生時代の修学旅行のことは記憶にあります。
本来は、クラスのみんなの修学旅行に行けるのがベストですが、コロナが落ち着いたタイミングを見てせめて別の形で子どもの気を晴らせてあげたいものです。
家族ぐるみで子ども同士の交流をサポート
例えば、仲の良い家族がいれば、家族同士でキャンプに行くのもいいでしょう。
子どもたちも友達とキャンプができるのは、とてもうれしい体験です。
泊まりが無理でも、遊園地や海にみんなで行くのもいいと思います。
修学旅行は行けなかったけど、その代わりに・・
という気持ちを感じてくれれば、子どもの心は少し救われたと言えるでしょう。
コロナ禍の修学旅行事情!中止・延期で子どもも先生も大変です!まとめ
新型コロナウイルスによる影響は、子どもたちの心にも暗い影を落としています。
その代表的なものが、修学旅行の中止かもしれません。
親としては何とか、行かせてあげたいと願いますが、まだまだ予断を許さない状況が続きます。
子どもたちが深い傷を負っていることを目を向けて、心のケアをしていきたいものです。
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