女性が働くのが当たり前の時代ですが、それでも出産や育児を機に退職をする女性は約半数と言われています。
それだけ、仕事と育児の両立が難しいことを示しています。
男性の育児参加率が増えてきていると言われますが、育児の主体はあくまでもママでパパはそのサポートという図式が変わることはありません。
特に、育児休業中のママは、
子育てのために休んでいるんだから
という目で見られがちです。
でも、子育てで一番大変なこの時期をママ一人で乗り越えるのはとても大変なことです。
この記事では、育児休業中でワンオペ育児に悩むママの負担が少しでも軽くなることを願って書いたものです。
育児休業中のワンオペ育児がツラい!
育児休業とは、子どもが産まれた家庭が対象で、短くても1年、長ければ3年間、育児に専念するために休業できる制度です。
働いている女性のほとんど(令和2年度は82.2%)が取得します。
しかし、育児休業中は、文字通り四六時中育児に追われる毎日です。
さらに、旦那さんの助けが得られずにワンオペ育児で苦労している人もたくさんいます。
具体的に、どのような大変さがあるのか解説していきます。
誰も助けてくれないのがツラい
育児休業中は、日中は基本的に一人で赤ちゃんと向き合わなくてはいけません。
手伝ってくれる人もいなければ、悩みを聞いてくれる人もいません。
辛くても逃げ出したくても、誰も助けてはくれないのです。
しかし、目の前では次から次に問題が起こります。
それを一人で全て解決するのは、いくら成人した女性であっても無理というものです。
どんな状況でも、誰の助けも借りられないことが、ワンオペ育児のツラいところです。
孤独がツラい
これまでは、職場や友人など、さまざまな人間関係の中で生活をしてきたので、突然家の中に自分と赤ちゃんだけで暮らす毎日に想像ができない人も多いです。
繰り返しですが、育児休業中は、意識的に外に出ない限り、人に会うことはありません。
これは、多くの人が経験してこなかったツラさです。
人は、なんだかんだ言っても、誰かと関わることで生きているのです。
したがって、育児休業中は孤独との戦いがあることを忘れてはいけません。
わからないことばかりでツラい
赤ちゃんはとにかく泣きます。
わかりやすいのは、授乳やおむつ替えですが、それ以外の理由でもよく泣きます。
赤ちゃんが何を求めているのかがわからず、泣き続けられると、本当に精神的にこたえます。
育児に慣れてくると、赤ちゃんが求めていることが次第にわかってきますが、初めの頃は本当にストレスが溜まります。
夜中に起こされるのがツラい
新生児は3時間おきに授乳が必要。
間隔が短い子では2時間起きということもあります。
ひとたび、授乳をすれば10分以上はかかります。
そして、飲み終わったらげっぷをさせてから、さらに寝かしつけがあります。
こんなことを3時間おきに繰り返すのですから、とても満足に眠ることはできません。
寝かしつけがツラい
赤ちゃんは、寝てくれるのが親にとっては一番ありがたいことです。
逆に、寝てくれないと親はいつまでも休むことができません。
特に、夜は大変です。
授乳ですんなり寝てくれればよいですが、眠らない場合には延々と抱っこしたりしないといけません。
寝かし付けに1時間以上かかるケースもあり、ママの睡眠不足に直結します。
体調がすぐれないのがツラい
出産後間もなくは、母体が回復していないため、疲れやすいなどのさまざまな体の不調が起こります。
さらに、育児は全く休む暇がありません。
慢性的な睡眠不足の中で、家事をこなしながら赤ちゃんの面倒を見続けることは並大抵のことではありません。
抱っこをし続けるのも体力が必要ですし、お風呂も一筋縄ではいきません。
たたでさえ休息が欲しい状況で、休むどころか更に負担が増えると、本当に体力的に限界がやってきます。
趣味や息抜きが全くできないのがツラい
子どもがいない時は、何気なく息抜きができていました。
友だちとご飯を食べたり、休みの日に趣味に興じたり。
職場での飲み会もあったかもしれません。
でも、育児休業中は全てシャットアウトする必要が出てきます。
自分の時間が全く取れず、ストレスを解消する方法がなくなってしまいます。
時間がたくさんあって自由が利いた頃を懐かしく思えるでしょう。
休業じゃなくて労働だ!
これはうまく言ったものだと思いますが、「休業」ではなく立派な「労働」です。
しかも、完全に労基法を無視したブラック労働です。
休み時間なんてありませんし、夜中までの残業は当たり前、休日もなし、給与も出ません。
このハードな状況が、周りからなかなか理解してもらえないのが、ワンオペ育児の本当にツラいところです。
ツラいのは一人目だけじゃない!二人目以降もツラいワンオペ育児
育児休業中のワンオペ育児でツラいのは、初めての育児だけとは限りません。
まだまだ小さい上の子を抱えながら、赤ちゃんの育児をするのは、本当に手が足りません。
上の子だってまだまだ手がかかる
きょうだいの年齢差で一番多いのが2歳差で約32%。
次に多いのが3歳差で約27%。
1歳差の約9%と合わせると、7割弱の家庭が3歳以下の子どもを抱えながら赤ちゃんの子育てをすることになります。
当然ながら、まだまだ手のかかる年齢です。
ご飯も目が離せませんし、自分の準備だって親が手伝わなければいけません。
そして、何よりもまだまだママに構ってほしい年齢です。
上の子がママの周りにくっついている状態で、赤ちゃんの育児をするのは本当にハードなことです。
保育園の送迎は誰がやるの?
上の子を保育園に通わせている場合、送迎担当もママがほとんどです。
しかし、産まれたばかりの赤ちゃんを抱えての送迎は、とても大変です。
赤ちゃんを抱っこして車に乗せたり、自転車に乗るのはかなり体力も必要ですし、そこでどれだけぐずられても保育園に遅れるわけにはいきません。
まさに、毎朝は戦争のようです。
上の子の赤ちゃん返りがツラい
赤ちゃんが産まれてから経験するのが、上の子の赤ちゃん返りです。
赤ちゃん返りは、多かれ少なかれどの子にも起こります。
これまで、親の愛情を一心に受けていた上の子が、下の子が産まれたことによって自分が構ってもらえなくなることを恐れて、赤ちゃんのように手がかかる行動を取ることです。
正直言って、赤ちゃんだけでも大変なところ、上の子にはできるだけ自分でできることは一人でやってほしいもの。
そこに、赤ちゃん返りが来てしまうと、怒りは爆発寸前です。
上の子にキツく当たってしまう
育児休業中はママも精神的にいっぱいいっぱいです。
赤ちゃんのことで手一杯で、できるだけ他に面倒なことは起きてほしくない。
少しでも休んでいたい。
そのように思うのも無理はありません。
そんな時、上の子が予定通りにいかなかったり、構ってきたりすると平静ではいられなくなってしまい、ついキツく当たってしまうことも。
そして、後でそんな自分に自己嫌悪に陥ることがたくさんあります。
このように、育児休業中のワンオペ育児は、決して楽ではなくむしろツラいことばかりなのです。
この点は、パパだけでなく、周りの大人みんなが認識しなければなりません。
「育児休業中は私が頑張らなきゃ」が一番キケン!
それまで働いていた人にとって、育児休業中は初めて仕事から離れることになります。
それは、とても特別なことです。
赤ちゃんのいる人にしかない特別な権利と言えます。
しかし、だからこそ気をつけて欲しいことがあります。
それは、育児休業中だからと、背負いすぎてしまうことです。
育児のために休んでいるのだから、自分が全てやらないといけない
という気持ちになるのが一番危険です。
育児は、決して母親一人で抱え込むものではありません。
自分は仕事を休んでいて、夫は仕事をしていることに負い目を感じる気持ちもわかりますが、仕事の代わりに育児や家事を立派をやっています。
決して楽なことではありません。
それに、ママが体調や心を壊してしまっては、それこそ家族を支える人がいなくなってしまいます。
はっきり言ってしまうと、仕事は多少なりとも自分の時間がありますし、休憩もあれば自分でコントロールできる裁量もあります。
しかし、育児は待ったなしで、母親の意思など聞いてくれません。
自分はとても大変なことをしている
と胸を張っていいです。
一人で抱え込まないようにしてください。
育児休業中のワンオペ育児の負担を少しでも軽くする方法
パパに積極的に家事・育児に参加してもらう
育児において、ママが最も頼るべき相手はもちろんパパです。
パパが育児に協力的かそうでないかで、ママの負担は天と地ほど違ってきます。
育児にはツラいことがたくさんあります。
物理的に人手が多いほど楽なこと間違いありません。
最近では、男性の育児休業取得率も向上してきています。
令和2年度の男性の育児休業取得率は12.65%で、前年度の7.48%から大きく向上しました。
さらに、平成28年度が3.16%だったことから考えても、近年は男性の育児参加の機運が大きく高まっていることがわかります。
産まれたばかりの頃は特に大変な時期なので、パパの育児休業を長期間取ることは難しくても、産後直後の数週間でも2人で力を合わせることができれば、とてもいいスタートを切ることができます。
さらに、パパには家事も手伝ってもらいましょう。
日々生活するためには、食事だけでなく、お風呂や片付けや掃除などたくさんの家事があります。
育児も家事もどちらも欠かせないものなので、パパにも簡単なことから順番に覚えてもらいましょう。
「料理は絶対にできない」
と言うパパでも、練習すれば必ずできるようになりますよ。
パパが育児・家事に参加することは、パパ本人にとっても子どもにとってもメリットがあります。
メリット:ママとの仲が良好でいられる
これは、若いパパほど甘くみがちですが、子育てに非協力だったパパは、必ず将来寂しい思いをします。
ママが一番大変な時期に助けなかったことは、ずっと言われ続けるでしょう。
その逆もしかりです。
一番大変な時期を一緒に乗り越えた2人は、強い絆が生まれ、ずっと仲良しでいられます。
家庭に居場所がない
なんて、悲しいことにならないためにもたくさん育児参加しましょう。
メリット:子どもから好かれる
これも、子どもが産まれたばかりの頃は想像もつかないでしょうが、子どもが成長した時に、関わりが少ないパパに子どもは懐いてくれません。
その結果、子どもに対して媚を売るような悲しいお父さんになってしまいます。
逆に、たくさん育児したパパには子どもは信頼を寄せて接してくれるので、いつまでもいい親子関係を作ることができるでしょう。
夫婦と同じく親子の縁も一生モノ。
いつまでも、好かれるパパでいたいものです。
地域でのつながりができる
子どもを通じて、たくさんの知り合いができます。
それは、育児をしっかりやればやるほど、つながりは太く大きくなります。
地域でのつながりは、仕事とは違って肩肘を張らないものです。
また、これからの時代、会社だけでなく、他のつながりがあると、人間関係にも幅ができて豊かな人生を送れると言われます。
子育てを機に、新たな自分を発見するのもいいですね。
子どもが健やかに成長する
育児には、ママの役割とパパの役割があると言われています。
ママは近くのことを丁寧に見守り、パパは遠くを見通すことができます。
どちらも欠けることなく育児ができれば、子どもは健やかに育ってくれます。
育児をママ任せにするのではなく、積極的に参加してほしいです。
親もしっかり頼る
育児のサポート役として、親はとても強力なパートナーです。
特に、おばあちゃんは育児経験者。
知識も経験も豊富です。
育児に悩んだ経験も豊富なので、よき理解者として、そしてアドバイザーとして活躍してくれるはずです。
育児休業中は一番頼りたい時。
遠慮せずにどんどん頼みましょう。
もちろん、おばあちゃんの都合や、体力的に無理な時もあるので、そこは相手の様子を見ながら頼めばいいです。
娘から頼られて嫌なおばあちゃんはいないはずですよ。
ママ友にグチを聞いてもらう
親族以外にも頼れる人がいると、心強いものです。
特に、同じ悩みを共有してくれるママ友の存在はとても大きいもの。
アドバイスもありがたいですが、育児休業中のツラさを共感できる唯一の存在でもあります。
愚痴はためこまずに、どんどん吐き出していきましょう。
それが、心にも体にもいいですよ!
助産師さんや相談員に相談すること
出産後は母体の体調の変化や、子どもの成長がとても気になるものです。
体重が増えてないけど大丈夫かな?
自分が精神的に参ってきたけど、このままでいいのかな?
など、専門的なアドバイスを求めたくなることも多々あります。
その場合は、助産師訪問や、自治体が主体となっている相談員を活用しましょう。
相手はプロなので、的確なアドバイスがもらえます。
また、産婦人科や小児科医の診断を仰ぐこともためらわずに行いましょう。
時に、素人判断は危険なこともあります。
逆に、プロが問題ないと判断してくれれば、安心できます。
何でも完璧を求めない
最後に、自分を楽にするためにも
「完璧を求めない」
ことはとても大切なことです。
育児に関する情報がすぐに手に入るので、育児の正解にとらわれてしまいます。
でも、理想通り完璧にこなせる人なんていません。
毎日が、大きな問題なく過ぎていけば、それで十分です。
特に家事は手抜きでいいです。
ご飯も、惣菜やインスタントなど、どんどん利用しましょう。
精神的な負担も考えると、何事もほどほどが一番です。
時短グッズも組み合わせながら、上手に手抜きしましょう!
家事の味方、「家事代行サービス」についてはこちら。
育児休業明けのことを想定しておく
ほぼ全員のママが、職場復帰に不安のあると言われています。
育児と仕事の両立ができるのか
限られた時間に仕事をやりきれるのか
子どもが体調を崩した時、休みは取りやすいか
夫はどれくらい協力してくれるか
子どもが産まれたことで、働き方も大きく変わります。
誰もが不安に感じることですが、やはり職場の理解なくして育児と仕事の両立は難しいでしょう。
育児休業中から、職場に顔を出すなど連携を図っておくと、復帰してからの仕事がスムーズになることが多いです。
また、育児休業中にママが全てを一人でやってしまうと、パパが何もできなくなってしまうし、何よりもママが復帰した後に、育児の分担ができなくなります。
復帰後を視野に入れて、家庭内でも役割分担を決めておくと良いでしょう。
育児休業中のワンオペ育児がツラい!早く仕事に復帰したいママたちまとめ
男性の育児休業取得率が向上しているとは言え、まだまだ育児休業中はママのワンオペ育児という家庭がほとんどです。
でも、ママもいつか職場に復帰します。
これからの時代、男性も女性もワークライフバランスを意識して、協力し合ってお互い家庭と仕事の両立ができるといいですね。
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