ひらがなって入学前に書けないといけないの?
年長のこどもがいるご家庭にとって、が読める・書けるかどうかは切実な問題。
自分の子どもがまだ読み書きができないと焦りも出てくる。。。
同級生の子が読み書きできるかは、ママ友に聞いてみるしかないんだけど、
案外、本当のことを言ってくれるかは怪しいところ。
しかも、この問題が厄介なのが、みんな口を揃えて、
小学校に入ってから覚えればいいから焦らなくていいんじゃない
と言う。
でも、読み書きができないまま小学校に行って大丈夫なのでしょうか。
そこで、この疑問を解決するために、現役の小学校の先生に真相を聞いてみた。
この記事を読めば入学までに読み書きがどれくらい必要があるのかや、
入学後にどのような勉強をするのかについて知ることができます。
1学期にひらがな・カタカナの読み書きを学習する
国語の授業で読み書きを学習する
読み書きができないと、入学後にいきなり置いてけぼりをくらうわけでは決してありません。
むしろ、学習指導要領では、ひらがな・カタカナの読み書きは小学1年生で学習すると記載されている。
学校の授業は、学習指導要領に沿って行われる。
具体的には、1学期の国語の授業でひらがな・カタカナを学習する。
あ・い・う・え・お
から丁寧に教えてくれる。
また、ゴールデンウィークが終わったくらいの時期から音読の宿題が出るようになり、
何度も繰り返すことで読みを習得していく。
実態は、ひらがなを読める子がほとんど
カリキュラム的には、文字は小学校に入学してから教えるもの。
理屈はその通り。
なぜなら義務教育は小学校からだから、基本的に勉強を教えるのは小学校から。
でも、実態はどうなのだろうか。
ひらがなを読めずに入学する子は1割程度
冒頭に、入学前に読み書きができるべきかの答えは人それぞれ
と書いたが、そう感じるのは僕らの親の世代の意見。
今の保護者が子どもの頃も、もちろん幼稚園や保育園で読み書きを教えてくれるところはあった。
でも、親の感覚として、
読み書きは学校で習うものだ
という感覚があった。
だから、今でも昔の感覚で、
読み書きは学校に入ってからで遅くないよ
と言う。
でも、小学校の教員に聞くと、入学時に文字が読めない子は全体の1割程度。
それがどういう子かというと、例えば、授業中にじっと座っていられない子や
みんなと一緒に教科書を開くことができないような子が多い。
いずれにしても、実態としては文字が読めない子は非常に少数派である。
ベネッセ調査では入学前に97%の子が字を読める?
ベネッセ教育総合研究所が2016年にまとめた「幼児期から小学1年生の家庭教育調査」では、
さらに驚きの数字が出た。
本調査では、2012年に年少児から小学1年生までの子どもの家庭での生活や育ちの様子と親の
関わりについての実態を横断的に把握しました。
2012年より年少児の子どもを持つ母親を対象に調査し、2013年以降も毎年、子どもの学びが育つプロセスと家庭での学びの状況を探る継続調査を実施しています。今回の速報版は、縦断調査のうち、年少児期から子どもが小学1年生になった時点までの母親544名のアンケートを分析したものです。
https://berd.benesse.jp/up_images/research/20160308_katei-chosa_sokuhou.pdf
調査結果のp7を見ると、
かな文字を読める年長児の割合は97.2%
とあります。
ほぼ全員の子どもが入学前にかな文字が読めるという調査結果もあるのです。
読み書きができずに入学すると困るの?
多くのこともが入学前に読みができる状態だということがわかった。
でも、国語の授業で文字がしっかり教えてくれる。
入学前に読みができなくて困ることはあるのだろうか。
国語以外の教科の勉強はどうなの?
たった今、
小学校の国語の授業でひらがな・カタカナの読み書きを教えてくれる
と書いた。
じゃあ、入学してから文字を覚えれば安心だね
と思うところだけど、それが実はそうでもない。
下の写真は、小学1年生の算数の教科書の目次。
がっつりひらがなで書かれている・・。
これを入学して早々に勉強する・・・。(正確には5月くらいからだけど)
目次だけじゃなくて教科書めくればこんな感じ。。。
もちろん、先生は問題文を読んでくれるんだけど、その1回きりでは
子どもも記憶できるわけではないし。。
それ以外にも、黒板にたくさんの文字が書かれて、それを口頭で説明される。
しかも、小学校になると言葉も難しくなる。
耳だけですべてを理解するのは難しいから、結局は少しでも早く文字を読めるようにならないといけないのだ。
国語の授業では、読み書きを徹底して覚えさせる一方で、他の教科は読みができる前提で授業を進めざると得ない。
でなければ、カリキュラムが消化できない。
音読がすらすらできない
小学1年生は音読の機会がたくさんある。
宿題はもちろんだけど、授業でも出る。
その時に、文字を読むのがままならなければ、音読がすらすらできない。
みんなの前で音読がうまくできないと、苦手意識を持つし恥ずかしい思いをする。
音読がすらすら読めないことは、子どもには大きなプレッシャーとなる。
「自分は勉強が苦手だ」と思う
先ほど言ったように、ほとんどの子どもが字が読める。
字が読めるどころか字が書ける子も多い。
その中で、自分だけ字が読めないと思うと、
自分は勉強が苦手だと思い込んでしまう。
この時期の差は、子どもの心に劣等感として重くのしかかる。
実は、「自分は勉強ができない」と思うと、本当にその通りの結果になってしまうことがある。
難しい問題に出会ったときに、どうせ自分には解けない、とすぐに諦めてしまうからだ。
国語などの問題でも、長い文章を書いて答える問題など、早々に考えることを諦めてしまって
空欄に
読書量に差が出る
また、文字を読むのが苦手な子は読書嫌いになりやすい。
読書は、学力面でも情緒面でもプラスになる。
しかも、1年生の夏休みには早速読書感想文の課題も出るのだ。
1年生では80字の漢字を学習する
小学校の国語における漢字学習の割合は高い。
毎日漢字ドリルの宿題が出るし、漢字テストもたくさんある。
ひらがなをやっと覚えたころに漢字がやってくると完全にキャパオーバーでパンクする子がいる。
そこで漢字が苦手になってしまうと、テストで低い点ばかりを取ってしまうことになる。
それでは、勉強が嫌いになってしまう。
無理強いはしない。でも、できることはやらせる
入学時に文字の読み書きができないと、子どもが苦労することは間違いない。
では、何ができればよいだろうか。
結論:入学前に読みはできていてほしい
勉強ができるかできないかは、実は、入学前のちょっとした準備の差が、結局最後までずっと続いていくのではないかと思う。
だからこそ、親としては必要な準備をしてほしい。
最低限必要なことは、ひらがなが全て読めること。
できれば、自分の名前を書けるとよいが、まずは読みを優先させよう。
それだけで、周りと同じことができていると感じ、劣等感を抱くことはなくなるはず。
子どもは苦痛なことはやらない
文字の読み書きは、子どもによって興味のあるなしに差がある。
放っておいても、自分から興味をもって字を覚えたり書いたりする子がいる一方で、まったく興味を示さない子もいる。
肝心なのは、子どもに無理強いをしないこと。
必要性がわからない段階の子どもに、無理やり読み書きを覚えさせようとすると、強い拒否反応が出る。
そうなると逆効果で、文字を覚えようとしなくなってしまう。
親のもどかしい気持ちはよくわかるが、ここはぐっと耐えて、子どもが興味をもつ瞬間を待ってほしい。
とりあえず親としては餌をまいておけばよく、いつかその時が来るまで我慢して待ってほしい。
興味を引く方法と、おすすめ教材
ひらがなやカタカナを文字単体で見たところで、子どもは興味をもってくれない。
文字に興味をもたせるためには、子どもが興味をもつものに文字を組み合わせる工夫が必要だ。
例えば、子どもの好きなキャラクター。
イラストなどの画像の下に、キャラクターの名前を書いて見せてみる。
子どもには、
「ドラえもんって書いてあるねー」
とだけ言えばいい。
それを繰り返していくと、他のキャラクターの名前が書かれた文字にも興味をもつようになる。
「これってなんてかいてあるの?」
なんて子どもが食いついてきたらしめたもの。
ただし、焦りは禁物。
すぐにえんぴつと紙を用意して書かせようとするのはハードルが高すぎる。
まずはじっくり文字に親しませてから、鉛筆を渡すようにしましょう。
その他にも図鑑や、絵本もおすすめ。
いずれも、子どもが一人で読むのはハードルが高いので、できれば親がいっしょに読んであげるとよいですね。
ここで文字を覚えるためのおすすめグッズ3選を紹介します。
ポイントは子どもが楽しんで取り組めるものがあるかどうかです。
ドラえもんどこでもボード
水をインク代わりにして文字をなぞり書きします。
何度も繰り返し使えます。
折りたたんで持ち運びができるので、ちょっとしたお出かけに持っていけます。
ひらがなの他にも、数字やアルファベットのなぞり書きもある。
自由に書けるスペースもあるので、覚えた文字を好きなように書けます!
アンパンマン木のもじあそび
アンパンマンのかわいいキャラクターとひらがなが書かれた積み木です。
純国産の木材を使用していて安心です。
積み木の裏面には、カタカナとローマ字が書かれているので、遊びながらいつのまにか3つの文字が覚えられる。
アンパンマン好きの子どもにおすすめ玩具です。
学研のあいうえおタブレット
まだペンを持つには早いと思うカタニおすすめするのが、タブレット。
タッチパネルを押すと、音が出て、文字の読み方を教えてくれます。
読み方だけでなく、液晶パネルに書き順を示してくれるので、書きたいという気持ちを刺激します。
また、200問以上の文字に関する問題を収録しているので、子どもははりきって文字を覚えることに挑戦しようとするでしょう。
早いうちからタブレットに慣れさせたい人におすすめ。
まとめ
文字の読み書きについて悩みを抱える親は多いもの。
カリキュラム上は小学校に入ってから文字を教えてくれるとはいうものの、一度出遅れてついた差は後から縮めるのは簡単ではない。
子どもが負担と感じない程度に、うまく興味を引きながら、入学前に字が読めるようにしておくと、劣等感を感じずに学校生活をスタートできる。
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