子どもに算数の勉強ができるようになってほしい
これは、多くの親が願うことです。
数をかぞえられることは、文字が読めるのと同じくらい大きな武器になります。
数をかぞえる
と聞くと、そんなのは簡単で、数くらいどんな子でも数えられると思うかもしれませんが、速く正確にかぞえられる能力は、算数や数学の学力に直結します。
この記事は、現役の小学校教師の助言を受けて作成しました。
この記事を読むことで、子どもが将来算数や数学に困らない学力を身に付けるためのヒントを知ることができます。
百玉そろばんの概要
サイズ
縦26.5×横30.4×奥行13cm
セット内容
本体1個
かずシート2枚(両面使用)
仕切り板1枚
ガイドブック1部
対象年齢
3歳以上
【百玉そろばん】数をかぞえるとは?
何歳から数をかぞえられるの?
では、数をかぞえる経験はいつからできるでしょうか。
個人差はありますが、1から10までの数を数えられるようになるのは、2歳から4歳と言われています。
したがって、早い子であれば2歳から数を数えることを教えてもよいことになります。
数には、「順番」と「個数」がある
数の概念については、小学校に入って一番初めの算数の授業で習います。
数の概念
と聞いても、ピンと来ない人が多いでしょう。
実は、大人でもしっかりと認識していないことが多いのですが、数には2つの概念があります。
順番という概念
これは、
1,2,3,4,・・・10
11,12,13,14・・・20
という数字の並びのことです。
10までの数が言えるようになった
100までの数が言えるようになった
ということをよく聞きますが、これは数字の順番を覚えた、という意味です。
個数という概念
数字の順番を覚えた後には、実際の物の数をかぞえます。
例えば、りんごが5個あるとして、それらを1こ、2こ、3こ
と順番に指でかぞえていく。
まずは5個まで
次に10個
と数を増やしていきます。
実は、実際のものの数をかぞえられるようにならないと、算数を理解することはできません。
大事なのは個数の概念
では、数の順番と個数では、どちらが大事でしょうか。
もちろん、どちらも大事なのですが、より大事なのは
個数の概念
言い換えると、
数をかぞえることです。
多くの人は、1,2,3,4,5・・10・・20
と数の順番を言えることで、数がかぞえられるようになったと思いがちです。
でも、それらは、あいうえお、と同じように単に順番を覚えたに過ぎません。
実際の数をかぞえられるようにはなっていないのです。
確かに、目の前に5個のリンゴがあれば、1、2、3、4、5と順番に数えていけば5個とかぞえられるでしょう。
しかし、さらにその5個を2個と3個に分けると、数をきちんと理解していない子は、
また、
1、2とかぞえて2個
1、2、3とかぞえて3個
と順番にかぞえることになります。
後述しますが、数をかぞえられる子は、5進法、10進法という、数のまとまりを理解しています。
だから、5個のリンゴを2個取ると残りが3個ということがパッとわかるのです。
まずは、身の回りのものを使って、ゆっくりでいいのでかぞえる経験をさせましょう。
ポイントは、
ゆっくりでいい
です。
いきなり、10やそれ以上の数をかぞえるのは負担です。
2つ、3つと数を増やしていきましょう。
また、2つを2人で分けたら一人一つになる
というような経験も併せてさせましょう。
我が家では、
8枚のお皿を渡して、みんな同じ数になるように4人に配って
というような練習をしていました。
すると、初めの頃は1人に一枚ずつ配って、4枚余るので、それらをまた一枚ずつ配ったら、最終的に一人2枚になった、ということを知ります。
かぞえる体験を通して、足し算だけでなく引き算やかけ算、割り算の概念も身につくことになります。
そろばんの効果
そろばんと言えば、少し古いイメージがあるかもしれませんが、最近はその存在が見直されています。
そろばんの効果について見ていきましょう。
計算力が身につく
これは、言うまでもない効果ですね。
そろばんは、地域によって差はありますが、
23桁までの計算を行うことができます。
そろばんの計算のスピードの速さはみなさんご存知の通りです。
算数の基礎になるのは計算力です。
そろばんでは、算数で何よりも必要な計算力を高めることができます。
しかし、そろばんによる効果は計算力の向上だけではありません。
以下は、日本珠算連盟のウェブサイトより抜粋したものです。
これらの6つの能力が、そろばんをすることによって向上することが科学的にも認められています。
注意深く観察する能力
ミスが許されないトレーニングを繰り返していると、集中力と同時に、数字を注意深く読みとる能力が高まってきます。大人の人で「大きな桁はどうも苦手で・・・」という光景に出会うことがありますが、ソロバン学習経験者に、そのような人はいません。注意深く数字を見るトレーニングから、数字を観察する行動が生まれ、数の仕組みを次々と発見するようになれば、成功です。そのような習慣が、数字を駆使して様々な分析する力が生まれてきます。
注意深く数字を読みとるトレーニングが洞察力の原点になります。
一般社会における「会社分析」などは全て「数字で読む」ことから始まります。
イメージやヒラメキの力
河野貴美子先生(日本医科大学)の研究発表で、有段者の珠算式アンザンは右脳を使用していることが判りました。問題解決・発明などのヒラメキは右脳から発生すると言われており、問題解決の思考回路を最短距離で結ぶ「脳力」が開発されます。
また、「指先トレーニングが、シナプスの絡みを促し、ニューロンネットワークを構築する」と、林 寿郎教授(大阪府立大学)が力説されています。新しいシステムを生み出す発想力は、どの分野でも求められる必須「脳力」です。すなわち子どもたちが、身につけなければならない「脳力」のひとつともいえます。
記憶する力
暗算には珠算式暗算(右脳使用)と算数式暗算(左脳使用)とがあります。珠算式暗算は右脳で処理した答えのパターン記憶を行います。このトレーニングは直観像として長く記憶にとどまります。一般的に試験などで使用される記憶方法(左脳使用)は短期間で忘れてしまうことが多いのですが、珠算式記憶法(右脳を使用した直観像記憶)は長期間失われません。
東大・京大生の80%がソロバン学習経験者と言われるのも、うなずけるものがあります。このような「脳力」はアンザントレーニングで身に付きます。子ども時代、特に幼稚園児から始めるほど、これらの「脳力」が確実に身に付くことになります。
集中する力
ソロバンの検定試験は制限時間に規定問題数を正解しなければなりません。 1級のかけ算を例にとりますと、6桁×5桁の問題を計算する過程において、100回以上の指先操作を要求されます。計算中は、かけ算九九を30回唱え、 11桁(100億)の答えの記入が許されます。その間、一度のミスも許されません。この、問題を20回繰り返すと規定問題数を計算し終えたことになります。
さて、指先の動きは、かけ算種目だけで、なんと2000回以上を数えます。「指先は外に出た脳」と言われていますように、ソロバン学習が指先トレーニングによって脳を育てていることがおわかりいただけると思います。
情報を処理する力
コンピューターの発達で膨大な情報量が社会を行き交っています。必要な情報を、いち早くキャッチし超速で処理する「脳力」は21世紀の必須能力のひとつです。ソロバン・アンザントレーニングは、一貫して数字による情報処理トレーニングを行っています。数字をミスなしに速く読みとり、右脳で秒速処理を行い、左脳で正確な数字情報に変換します。インプットからアウトプットまでをソロバントレーニングを通して、情報処理能力を育てていることになります。この「脳力」は学力と並び大切な武器となります。数字処理能力と文字処理能力は将来の為にも子ども時代に身につけたい能力のひとつです。
速く聴き、速く読む力
ソロバントレーニングの中に「読上算」という種目があります。これは、読み手が読み上げる問題を即座に聞き取り、正しく処理するトレーニングを指します。前近代的な学習法に見えますが、実は、「速く聴き取る力」をトレーニングしています。また、数字をブロックごとに速く読み取り処理する学習法は、「速く読む力」をトレーニングしています。近年、ソロバン教室では、ビジネスパーソンの必須能力として要求されている最先端の「能力トレーニング」を実践しています。これらは、脳が柔軟な子ども時代に身につけさせたい「能力」のひとつです。
玉そろばんの魅力
では、小さな子どもをそろばん塾に通わせるかと言えば、当然そんなことはありません。
子どもの成長に合わせた学習環境を用意するのは親の役目です。
知育玩具である玉そろばんの魅力を紹介します。
おもちゃであること
百玉そろばんのメリットととして、計算力が付くことは言うまでもないことです。
でも、それは後で触れるとして、最大の魅力は、それが
おもちゃであること
です。
そろばんに限らずですが、子どもは自分にとって興味のあるものしかやりません。
親から押し付けられたと感じれば、長続きはしないのです。
これは、いくら本人のためになると言っても無理です。
嫌なものは嫌なのです。
だからこそ、知育玩具の出番です。
玉そろばんは、カラフルな色の玉がたくさん並んでいて、指で動かせば左右に動きます。
きっと、小さなお子さんは喜んで右から左、左から右に玉を動かすでしょう。
このようにして、玉そろばん自体が子どもにとって快いものであると感じることが、今後の子どもの成長の大きな一歩なのです。
10進法を理解できる
数を勉強する上で10進法が理解できるようになることは大きな近道となりますが、玉そろばんで10進法を理解できるようになります。
10進法
とは、簡単に言えば「10のまとまり」を作ることです。
「7」にあと「3」を加えると「10」になる
「7」を「10」にするためには「3」を加えればいい
というイメージです。
玉そろばんは、一列に10の玉があります。
左側に「7」つ玉があれば、右側には「3」つの玉が残っています。
常に一列は「10」の玉があるので、
合わせて「10」にするためには、「左側の玉」と「右側の玉」を合計すると10になるのです。
数のまとまりを意識できる
玉そろばんは、1~5までが「赤玉」、6~10までは「青玉」です。
「7」は、赤玉「5」と青玉「2」
「8」は、赤玉「5」と青玉「3」
というように、数をまとまりとして理解できるようになります。
10進法と5進法を理解することができ、あらゆる数を「まとまり」で捉えることができます。
120までの数を覚えられる
玉そろばんは120までの数字が書かれているので、
120までの数が数えられます。
また、数の規則性についても理解できるようになります。
1,2,3~10
11,12,13~20
21,22,23~30
と、順に並んでいることに気が付きます。
これは、大人は簡単に理解できることですが、子どもに理解させるには数字を見せる方法が1番早いです。
玉そろばんを使ってみた効果
我が家では、玉そろばんを長男が3歳の時に買い与えました。
子どもたちは、初めはよくわからずにおもしろがって触っていた様子でした。
赤玉を右から左に送るだけの単純な動きをいつまでも飽きずにやっていた印象です。
親も、そのたびに、
2つ動いたね
と言った声かけをしていました。
そのかいもあってか、長男も次男も小学校の算数の成績はずっと「◎」が続いています。
印象的だったのは、年長の時に、長男の友達が家に遊びに来たので
試しに「7個」のみかんを並べて、
「いくつある?」
と聞いてみたところ、長男と次男はぱっと答えられたのに、
友達は1,2,3,4,・・と指で数えていて、かなり時間がかかっていたことです。
やはり、数を「まとまり」で捉えることができていたのだと思います。
実は、玉そろばんは小学校の算数の授業でも使用されています。
数の変化を理解させるために、実際に学校でも活用されているのです。
玉そろばんまとめ
算数が得意な子どもに育てるためには、小さいころから数を数える経験が必要です。
玉そろばんは、数を数える経験ができるとともに、数の規則性を学ぶことができます。
玉そろばんは、小学校の算数の授業でも利用されており、視覚的にも数の変化がわかりやすいものです。
数に触れる楽しさを覚えて、算数が得意な子どもに育てましょう。
玉そろばんについての記事はこちら。
他の知育玩具についてはこちらをご覧ください。
また、算数に特化した通信教育はこちらです。
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