「去年は運動会が中止になった」
「オリンピックはやっていいのに、なんで運動会はやっていけないの?」
令和3年度も、新型コロナウイルスにより学校行事は大きな影響を受けています。
開催時期の変更だけでなく、カリキュラムそのものも大幅に変更を余儀なくされるなど、例年の運動会とは様相が大きく異なっています。
この記事は、現役小学校教員の助言に基づいて作成しています。
教育現場では、どのような検討がされているのかを解説します。
文部科学省は運動会の実施についてどう考えているの?
運動会の実施については、最終的な判断は各学校に委ねられています。
しかし、大元はやはり文部科学省の方針に基づき、各都道府県や自治体の教育委員会が大まかな方向性を決めているのが実情です。
文部科学省のウェブサイトでは、運動会の実施について下記の通り回答しています。
運動会や体育祭などの学校行事は、子供たちにとってかけがえのない貴重な思い出となる、大変有意義な活動です。
文部科学省では、従前から一貫してお伝えしていますとおり、各学校においては、これらの行事の教育的意義や子供たちの心情等を考慮した上で、直ちに中止とはせずに、感染防止のために必要な措置を行った上での半日開催など、実施方法の工夫も講じた上で、可能な限り実施していただきたいと考えております。
また、緊急事態宣言の対象地域においては、時期を変更することも含めて検討し、実施していただきたいと考えております。
このように、教育的な視点から、運動会は有意義であり密にならないよう配慮しながら実施することが望ましいとの見解を示しています。
コロナ禍で運動会はどうなった?
コロナ禍で、運動会は大きく様変わりしました。
まずは、新型コロナウイルスに襲われた初年度である令和2年度の実施状況から見ていきましょう。
令和2年度の運動会の実施状況
令和2年度は、前年度の3月から5月にかけて前代未聞の学校の一斉休校が行われました。
通常では、気候の良い春先または秋に運動会が実施されるのですが、当然ながら春先に実施していた学校は、軒並み秋に延期されました。
また、「3密を避ける」が合言葉になっており、運動会の内容も大きく縮小されました。
運動会という冠をなくし、「体育授業公開日」として、学年単位で通常の体育の授業(とび箱等)を披露した学校もありました。
多かったのは、学年ごとまたは低学年、中学年、高学年に時間を区切り、運動会を実施した学校です。
しかし、運動会と言っても競技は大きく削減され、徒競走とダンス、の二つを実施するところが多かったです。
運動会の華であるリレーは行われず、また観客数も保護者1人のみ、とするなど例年に比べて物足りない内容であったことは間違いありません。
中には、延期先の時期にも緊急事態宣言が当たってしまい、運動会が中止となった学校もありました。
特に、最後の運動会となるはずだった六年生は非常に悲しい思いをしました。
令和3年度はどうなる?
令和3年度は、春先に運動会を予定していた学校は、概ね実施できたところが多かったようです。
一方で、9月下旬に予定していた学校は、緊急事態宣言が出ている地域では軒並み延期がされました。
しかし、緊急事態宣言が終われば予定通り実施される見込みです。
令和2年度のように、中止に至るケースは令和3年度はほとんどないでしょう。
学校によって異なる保護者観覧の状況
保護者観覧はどうなった?
密を避けるために、運動会の観覧者の数は大幅に抑えられることになりました。
これまでは、人数制限がなかったため、親だけでなく祖父母の参観も認められていました。
おじいちゃん、おばあちゃんにとっては、孫の成長した姿を見られるまたとない機会です。
しかし、コロナ禍においては、保護者は親のみで、家族で一人または二人と厳しい人数制限が課せられました。
子どもの活躍が見られるのを楽しみにしていたおじいちゃん、おばあちゃんは気の毒ですが・・・
観覧者の人数はどうやって決めるの?
観覧者の人数は、基本的に学校が決めます。
ただし、市町村によって決め方は多少異なっています。
まず、都道府県の教育長が大筋の方針を決定します。
しかし、実際は「各自治体の教育委員会の判断に委ねる」とすることがほとんどです。
次に、各自治体の教育委員会が一律の判断を下せば、学校はそのルールに従いますが、さらに各学校に判断を委ねるケースがあります。
その場合、まず校長会の中で議論されます。
しかし、最終判断はそれぞれの校長が決めるため、校長会の場では統一的な回答は決めません。
あとは、校長が各学校に持ち帰り、学校の規模や、他の学校行事の時期を勘案して、実施時期や観戦者数を決めます。
したがって、隣の学校と方針が異なることもあり得ます。
保護者の意見で方針が変わることも?
判断が各学校に委ねられる場合、逆に言えば校長の裁量で一度決めた判断を変更することもできます。
実際に、ある学校では保護者からの意見が強くて観覧者数が変更になったケースがあります。
他の学校が保護者数を2名としていましたが、この学校は保護者の観覧を認めていませんでした。
しかし、保護者から他の学校との比較を突きつけられて、やむなく保護者2名の観覧を認めることになりました。
小学生が開発したコロナ対策アプリについてはこちらをご覧ください。
コロナ禍の小学校の運動会事情を暴露します!まとめ
運動会は一年に一度のビッグイベントで、子どもたちはとても楽しみにしています。
しかし、コロナ禍においては競技種目が大幅に縮小されたり、最悪な場合は中止になるなどの大きな影響を受けています。
保護者の観覧者数も制限されていますが、これまでと変わらず親としては大きな声援を送ってあげたいものです。
コロナ禍での修学旅行事情はコチラの記事をご覧ください。
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